アメリカで日本文学を勉強?SUNYストーニーブルックでアジア学を専攻するということ

       
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karen

Jan.31.2016 - 07:57 pm

私はSUNYストーニーブルックには専攻:Undeclaredで入学し、2年生からビジネス専攻となりました。そして2015年秋学期に新たにAsian and Asian American Studies (アジア学)を専攻に加え、現在はビジネスとアジア学のダブルメジャー(二重専攻)をしています。Undeclaredとは専攻が決まっていないということです。学部を決めて大学入学する日本とは異なり、アメリカでは多くの大学で専攻が決まっていない状態でも入学することができます。

以前の記事にも書きましたが、アメリカの大学を選ぶ魅力の1つとして専攻を2つ選べるということがあり、せっかくなので自分の興味のある分野をもう1つ専攻に加えれたらな〜と思い、2015年の秋学期に専攻を追加したんです:)

以前の記事はこちら→アメリカ大学進学のメリットとは?アメリカと日本の大学の違い

今日はアジア学について、アメリカ大学でアジアについて学ぶ事について紹介したいと思います。

 

・アジア学とは?

大学によって同じアジア学でも異なりますが、私の大学では日本・韓国・中国・インドをベースにしており、これらの言語・宗教・文化・文学・芸術・歴史などの授業を取ることができます。

SUNYストーニーブルックのアジア学は2002年に作られた比較的新しい学部でとても小規模です。特徴としては、授業による単位取得に加えてアジアへの短期/長期留学も推奨しておりアジア学を専攻にしている生徒は留学で単位を取得する人もたくさんいます。日本への留学の場合は早稲田大学・東京外国語大学・日本大学・京都産業大学・岡山大学などと提携を組んでおり留学することができます。

アジア学専攻で卒業するには、

・言語のクラス:6単位
・アジア学入門クラス(100あるいは200レベル):9単位
・「宗教or芸術」、「文学or社会」、「現代の問題or地域」と「言語学」の4つの中から専門分野を選びその専門を学ぶクラス:15単位(そのうち9単位は300レベル以上)
・アジア学からどれでも好きなクラス(選択科目):6単位
・4年生対象アジア学必修クラス:3単位
・卒業論文

の全部で39単位と卒業論文が必要となります(そのうち21単位は300レベル以上のクラスを選択する必要があります)。

SUNYストーニーブルックで受講できるアジア学の詳しい授業一覧はこちら。このようにたくさんある授業の中で、基本的なアジア全般についての授業以外では、私は日本文化・日本文学など日本についての授業をメインにとっています。

(※100や200などの数字はレベルを表します。100は主に1年生向けの入門のクラス、200は2年生、300は3年生、400は4年生向けになります。番号が大きくなるにつれてクラスのレベルもあがります)

 

・ なんでアジア学を選んだのか?

もともとアメリカにくるまでは文学などに興味のある人間じゃありませんでしたが、たくさんある専攻の中からアジア学を選んだ理由は2つあります。

1つ目が、日本語講師としてアルバイトするうちにもっと言語そのものだけではなく文化などを含めた豆知識も一緒に教えれたらと思ったからです。日本に興味があって日本語を勉強してくれている人ばかりなのでみんな文化や文学など、日本のいろんなことに興味を持ってくれています。だけど興味を持ってくれているのに私が教えれることがなかったら、教えれなかったらだめだなと思ったんです。

もう1つの理由は、実際にアメリカにきて自分はまだまだ日本について知っておくべきことを知らないなと単純に感じたからです。アメリカに来たからこそ日本を客観的に見ることができるようになり、日本が好きになりました。自分の好きな国、生まれ育った国についてもっと知っておきたい・知っておくべき、そう感じたのも大きな理由です。

 

・じゃあなんでアメリカでアジア学?

専攻を追加するのはいいとして、じゃあなんでアメリカであえてアジア学のクラス、しかもなんで日本に特化したクラスをとるの?ということを聞かれることがありますが私が思うアメリカでアジア学/日本文学を勉強する魅力は3つあります。

1)授業がアメリカ人教授によって行われる

大学によるのかもしれませんが、私の大学の日本文学の授業は全部アメリカ人教授によって行われています。日本人の教授も大学にいますが、日本語のクラスと仏教のクラス以外は全てアメリカ人教授が担当しています。アメリカ人から日本人がアメリカで日本文学について学ぶ。おもしろいって思いませんか?

2)アメリカ人の日本文化に対する価値観を知ることができる

授業中、なんでも思ったこと・意見を発表するのが当たり前なアメリカの大学。そのため授業中は常にアメリカ人の素直な・率直な日本に対する意見を聞くことができます。また。私の教授はよく授業の初めや終わりに、この本どうだった?おもしろかった?などと学生に感想を聞きます。そこからも日本文学がどのようにアメリカ人に捉えられているかを知ることができてとってもおもしろいんです!

授業で読んだ源氏物語はアメリカ人受けがとてもよかったのが印象的でした。アメリカにあるドラマシリーズに似たドロドロ感がある、などとみんなが言っていました(笑)

他にも多くの本から日本が仏教・神道などにかなりこだわっていたことがわかるにも関わらず今ではもうほぼ無宗教といってもおかしくない・とても柔軟性があるのがすごい!というところを評価している人もいました。

3)純粋に日本の文化が好きな人とたくさん出会える

やっぱりアジア学を取っている=アジアに興味がある人が多く、日本文学の授業では日本に興味があるから、日本語を勉強しているから、という人がたくさんいます。純粋に日本の文化・文学が好きという人にたくさん出会えるのもとても魅力的です:)

 

・どういう日本文学が教材となっているの?

とってもおもしろいな〜と思うのが教授の教材の選び方。前学期私がとっていた2つの日本文学のクラスでは、以下の本が使われました。

1)日本文学のクラス

・Kojiki (『古事記』)
・Genji (『源氏物語』紫式部)
・I’m a cat(『吾輩は猫である』夏目漱石)
・Fires on the plain (『野火』大岡昇平)
・The clever rain tree(『頭のいい雨の木』大江健三郎)

2)明治時代の日本文学を学ぶクラス

・Kojiki (『古事記』)
・The five-storied pagoda (『五重塔』幸田露伴)
・Madame Chrysantheme (『お菊さん』ピエール・ロティ)
・The ball (『舞踏会』芥川龍之介)
・The Surgery room (『外科室』泉鏡花)
・The Soil (『土』長塚節)
・Kokoro (『こころ』夏目漱石)
・The broken commendment (『破戒』島崎藤村)
・Vita Sexualis (『ヴィタセクシュアリス』森鴎外)
・My individualism(『私の個人主義』夏目漱石)

日本文学のクラスではかなり分厚さの本を隅々まで読んだのに対して、明治時代の日本文学のクラスの方はとにかくいろんな人の小説をちょこちょこ読むという感じのクラスでした。このようにたくさんの日本の小説が並びますが、私は実は日本語で読んだことあるのは『野火』と『源氏物語』の一部だけでした(笑)

なのでほとんど全て初見で、アメリカ人とほぼ同じスタートなのがとっても新鮮でした。

本の一覧を見てもらったらわかると思いますが、日本人なら誰でも知ってる本ばかりではないというところがおもしろいな〜と。「アメリカで日本文学を勉強する」というとやっぱり日本人なら知っていて当たり前という小説を取り上げるのかと思いきや、有名な著者でも代表作ではない本だったり、必ずしも日本人が書いたものではなく、アメリカ人の視線からみた日本についてのものだったり。

(大江健三郎って知ってるけど『頭のいい雨の木』なんて出してるなんて知らなかったですし、ピエール・ロティの『お菊さん』は芥川龍之介の『舞踏会』を書くきっかけを作った本だったということも初耳でした。)

授業自体も古事記や源氏物語では宗教面の他にトリックスター(性格などの二面性)に注目したり、『野火』・『頭のいい雨の木』では精神障害について考えたり、『破戒』・『ヴィタセクシュアリス』を私小説かどうかと議論したり・・・着目するところもなかなか面白くて難しいな〜と思う反面、この本一冊でこんなけ議論できるんだなと知ることができて勉強になりました。

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「日本人が見る日本文学」ではなく、「アメリカ人が見る日本文学」。「日本で日本について学ぶ」ではなく、「アメリカで日本について学ぶ」。

これもまたアメリカでしか経験できないことで、すごく貴重な経験をさせてもらってるな〜と感謝しながら、2016年春学期もハードスケジュールですが頑張ろうと思っています:)。

 

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karen

関西出身・ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の大学生。 business managementとasian american study専攻、副専攻はJapanese study。大学生活についていろいろシェアしていきます!:)